Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Faculty of Medicine, Academic Assembly, University of Toyama
ご挨拶
富山大学学術研究部医学系歯科口腔外科学講座
教授 山田慎一
この度は、私どもの講座のホームページをご訪問いただき、ありがとうございます。
私は、野口 誠前教授の後任として、2024年6月1日付けで、第4代教授として教室を主宰させていただいております。
私は、カロリンスカ研究所に留学していた期間を除くとすべて大学にて研鑽を積んでまいりました。大学および大学病院の使命は臨床、教育、研究です。これを多くの方々の御指導、御協力のもとバランスよく学んできました。臨床、研究では同世代の口腔外科医の先生方と切磋琢磨してきました。また、臨床では、担当させていただいた患者さまの中に力及ばず不幸な転帰を迎えられた方も少なからずおられます。これまで経験させていただきました多くのかけがえのない経験を次世代に伝えるとともに、この経験をもとに富山県の歯科口腔外科医療の安全なご提供、富山大学や歯科口腔外科学への発展に寄与できるように精進してまります。
私の講座運営の方針は以下の通りです。
①口腔と全身との関連、口腔機能の重要性を理解させる医学教育の展開
②健康寿命の延伸に寄与する歯科口腔外科医療の科学的根拠を下支えする研究の展開
③高い医療安全のレベルのもと他科と協働して安心安全で正確な口腔機能の維持・回復を目指した医療の提供
④社会のニーズに柔軟に対応したバランスのとれた持続発展が可能な講座 を掲げさせていただきます。
私どもの講座は医学教育機関に属しており、富山県唯一の大学病院の歯科口腔外科でも
あります。大学の歯科口腔外科学講座として、大学病院の歯科口腔外科として、富山県における「歯科医療の情報の発信源」、「地域医療の最後の砦」として、富山大学の内外から求められる責務を果たしてまいりたいと考えております。
臨床では、私の専門は口腔腫瘍ですが、これまで培われてきた診療の継続性を大切にし、口唇口蓋裂、顎変形症、顎顔面インプラント、有病者歯科治療などについても、科学的根拠に基づいて治療を行い発展させていきたいと考えております。また、他科との密接な連携のもと、高い医療安全レベルを維持し、咬合、嚥下などの機能の回復を目指して精確な医療を行うとともに、患者さんのこころに寄り添った治療を行ってまいりたいと考えております。
研究に関しては、私はこれまで口腔癌、歯科インプラント、薬剤関連顎骨壊死、周術期口腔機能管理などの有病者歯科医療、口腔と全身との関連など幅広く研究を行ってまいりました。今後は、これまでの研究をもとに、「健康余命の延伸に寄与する」ことを目標に、高齢口腔癌患者の低侵襲な治療法の開発、口腔癌の免疫学的解析、口腔機能・口腔細菌と全身との関連などの研究を、多機関共同研究などにより、さらに発展させてまいりたいと考えております。歯科口腔外科の領域にはまだまだ科学的根拠が少ない面もあります。科学的根拠のないところに科学的根拠をもたせ、「医科歯科連携」、「病診連携」、「多職種連携」の推進に寄与してまいりたいと考えています。
最後に教育については、医師をはじめとする多職種に口腔の重要性を理解していただくことは健康寿命の延伸に寄与することに繋がることですし、地域の方々に口腔癌や口腔ケアなどの歯科医療について啓蒙活動を行うことも大切な責務であると考えております。また、今後の富山県における歯科口腔外科医療を支える人材を育成していくことも、講座に課せられた重要な使命であり、働き方改革やワークライフバランスを考慮しながらも、地域の歯科医療の中心を担える人材を多く育ててまいりたいと思います。特に研修歯科医の教育にも力をいれてまいりたいと考えております。富山県唯一の大学病院歯科口腔外科ですので、周術期口腔機能管理や一般歯科治療から口腔癌、口唇口蓋裂、顎変形症など様々な疾患を経験でき、また、麻酔、救急、内科研修などの医科研修も含まれており、特色ある研修プログラムとなっています。歯科医師としてのスタートを切り、生涯のベースを築くのには絶好の環境だと思います。研修医に限らず、研修の門戸は広く開放しておりますので、私たちの講座に少しでも関心を持っていただき、おいでいただければと思います。富山県においても口腔外科に携わる歯科医師は減少しています。富山県の歯科口腔外科医療を継続的に発展させ、県民のみなさに安全な歯科口腔外科医療を提供していくためには若い先生方に入局していただき、研鑽を積んでいただく必要があります。多機関共同研究、他施設への手術見学などの教育・研修も積極的に薦めています。口腔外科で頑張っていきたい!という方をお待ちしております。
今後の富山大学歯科口腔外科学講座の更なる発展のためにも、みなさまの御支援、御協力を宜しくお願い申し上げます。
山田 慎一(やまだ しんいち) 1974年8月24日生まれ
本籍地:岡山県
略歴
2000年3月 長崎大学歯学部卒業
2000年4月 長崎大学大学院 歯学研究科 口腔顎顔面外科学専攻 入学
2004年3月 同上修了 学位取得 博士 (歯学)
2004年4月 長崎大学医学部・歯学部附属病院 第一口腔外科 助手
2004年12月 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 口腔顎顔面病態外科制御学分野 助手
2007年4月 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 口腔顎顔面病態外科制御学分野 助教
2009年7月 長崎大学病院 口・顎の外科室 講師
2011年9月 カロリンスカ研究所 分子細胞生物学講座
2015年4月 信州大学医学部附属病院 特殊歯科・口腔外科 准教授
2022年2月 富山大学学術研究部医学系 歯科口腔外科学(総合口腔科学)講座 准教授
2024年6月 富山大学学術研究部医学系 歯科口腔外科学(総合口腔科学)講座 教授
現在に至る。

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